“羊と鋼の森 ” |
宮下奈都
文藝春秋
2016年 本屋大賞
キノベス!2016第1位
2015年 ブランチブックアワード大賞
全国書店員が選んだいちばん売りたい本
帯に かくありましたが、恥ずかしながら私、この本を手にするまで
“ キノベス” って何?!
“ ブランチブックアワード”って何なんですか?!
の世界でした
渦中にある時、読みそびれていた本でしたが、最近も頻繁に良い評判を耳にし読もうと思っていたところに、
Kさんが持ってきてくださいました。 感激です!
一瞬にして、
静かで穏やかな文章に引き込まれました。
本文より
秋野さんは言った。
もちろん、言葉で調律のすべてを書き表すことなどできない。百分の一も、千分の一もできない。わかっているから言葉には頼らない。だけど、調律の技術を言葉に換える作業は、流れていってしまう音楽をつなぎとめておくことだ。自分の身につけようとしている技術を、虫ピンで体にひとつひとつ刺していくことだと思う。
凄くないですか?!
わが家のポンコツピアノを何度も調理してもらった経験はあるのに、あんな風に思ったことなかったです。
そう言えば、調律師さんの無駄の無い美しい動きが、音を甦らせることに目を見張った覚えはありましたが・・・。
さすが、捉えどころが違いますねぇ
本文より
そのままの音を、
運び、走らせ、飛ばせばいい、──頭の中でイメージする。ぼんやりしていた言葉が、形になる。照らす。高く上げて、照らし出せばいい。
“ 静謐” と言う日本語 ぴったりです。
とてもいいです。
きちんと音と向き合う姿に感動しました。
あんなにも打ち込める何かと出会える人生って素敵ですね。
眩しかったです
出てくる人物一人ひとりが優しく描かれいました。
留まる事なく一気に読め、久々に 清々しい読後感を覚えた一冊 でした。
📕✨