“突然にシーリアス ” |
柴田翔
筑摩書房
1992年2月15日 初版発行
先日、
“季刊文化 ”vol.69 を探しているとき、
am͜a͉zonで 偶然見つけたこの本、
さっそく購入し、読みました。
実は、家にありました。
なのに、読んでいませんでした。
一気に読みました
397ページの長編です。
戦後70年のこのタイミングで
この本を手にしたなんて!!
“日本国憲法を誦する堅介老人” 登場!
実は1992年発行です。
旧友との再開と老い。
今が、読むべくして読む
タイミングだったんですかねぇ
本書帯より
突然ですが平和憲法を守りましょう。
毎朝、日本国憲法を朗々と誦する堅介老人。その妻、名脇役としてならすお径さん。
可愛くもけなげなムムちゃんに多少優柔不断なボーイフレンド・エイシン・・・・・その他その他、
高潔の様でようで俗っぽく、いいかげんなようできまじめな人々が世紀末に縦横にかけめぐる。
この人たちは、いったいどんな明日をむかえることやら。
ユーモラスで、展開も早く
“ ラブコメ”のようにサクサク読めました。
はじめに より
そうなのだ。
結局のところ、話を始めるのにいちばんいいのは、
「むかしむかし、あるところに」
と語り出すことなのだ。
と言うことで、
まるで昔ばなしを語るように始まります。
そして終わりには
爽やかな、結末が用意されていました
「堅介先生は立派でしたわ。先生は私に何もかも惜しみなく与え指導して下さるだけで、私から何ひとつ要求されませんでした。
だから私のなかで、堅介先生が決して忘れられない方になったのです。人生を後悔するのはやめましょう。その必要もありませんわ。私たちの人生は,各々そのままで、充分いい人生だったじゃありませんかー」
終わりに
かくして1980年後半のある年の冬の始めに始まった物語は、次の年の秋の末にはめでたく終った。
中略
堅介老人はピッコロ・ゴンザの他にも一二出演の機会はあったが、総じて言えば閑な毎日である。そう言えば、暫く途絶えていた毎朝の運動メニューがまた復活し、堅介老人の朗唱する日本国憲法がムムの朝寝を脅かすようになった。
後略
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