“本屋になりたい” |
“本屋になりたい” この島の本を売る
宇田智子 高野文子[絵]
ちくまプリマー新書 235
クラフトエヴィング商會 装丁
2015年6月に出版された
宇田さん、2冊目の本です。
全然 知りませんでした
2011年11月の “ウララ” 開店から4年半、
怒濤の展開ですね。
東京在住のOLさんが沖縄本に魅せられ、
大型書店の那覇副支店長に転勤してから、
1年半で古書店主に!
古書組合に加入し、古参古書店主に交じり奮闘していると思ったら、
ちゃっちゃと本を2冊も出してしまう!!
もはや、凄いです
1冊目は地元出版社のボーダーインクから出した“沖縄県産本” でした。
2冊目は奥付けを見てびっくり!
全国区の凄いメンバーが勢ぞろいです
できる人は、
何処にいてもできる。
どこからでも発信できる。
と 改めて確信し、強力なパワーを感じました。
新書版というのにな何だかおしゃれな装丁は、
クラフトエヴィング商會のプロデュースでした。
勿論、中身も濃ゆいですよ。
序章 古本屋、始めました
一章 本を仕入れる
二章 本を売る
三章 古本屋のバックヤード
四章 店番中のひとりごと
五章 町の本を町で売る
宇田さんの、ラブコールで実現した
高野文子さんのイラストです
店を始めるのに必要なのは、勇気というより革新ではないでしょうか。
ここでなら面白いことができる。
ここでやるしかない。そう思える場所に出会ったことが、始まりでした。
本を読みながらコーヒーが飲めるブックカフェがあちこちにできています。
ここで売られているのは、ものというより場所と時間かもしれません。
本の並ぶ静かな空間で、ゆったりと過ごす。
椅子とコーヒーがなくても、本屋はもともとそういう場所だったのだと気づかされます。
ノーベル賞の最年少受賞者マララさんは、
受賞の前年、十六歳の誕生日にニューヨークの国連本部で演説しました。
スピーチの全文が新聞に載っていて、最後のくだりが目に飛びこんできました。
「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが世界を変えられるのです」
一冊の本が、世界を変えられる? ドキッとしてあわてて最初から読んでみました。
「ペンと本」は、スピーチのキーワードになっていました。「教育の力」の象徴としての、ペンと本。それこそが「最も強力な武器」であるとマララさんは言います。みずから声をあげ、団結して貧困や暴力に立ち向かっていくために。
マララさんはペンと本の力をしんじています。言葉が書かれ、人に読まれることで生まれる力です。あたりまえのように学校を出て、銃を突きつけられたこともなく、役に立つか立たないかわからない本を売っている私も、その瞬間を感じた瞬間はあると思いました。
中略
自分の世界、目のまえの人の世界。小さな小さな世界ですが、確かに一冊の本が変えました。
本を読むことで、借りることで、売ることで、風景や行動や関係が変わりました。
積み重ねるうちに、もう少し大きな世界も変わっていったかもしれません。
4年ちょっと前、
初めてされど・・・ in ツリーハウスという自分の古書店を持った時の感動を思い出しました。
いい本をありがとう。
心機一転、私もちょっぴり頑張ります