#329 昔日の客 |
関口良雄
夏葉社
又吉さん一押しの
夏葉社「昔日の客」です。
本好きなら必ず手に取りたくなる、
素敵な装丁です。
姫路で古本屋をしていたとき、
隣のおひさまゆうびん舍のご縁で、
夏葉社の島田さんにサインを
していただきました。
みかえし遊び? の挿絵が
素敵です!
消え入りそうなサインが渋いです
本文「古本」より
マリーローランサンの詩の一節に「もっとも哀れなのは、忘れた女です」というのがある。古い書物の辿る運命も又同じで、忘れられた本は古本屋の片隅にで顧みられようともしない。
本文「昔日の客」より
話の途中で野呂さんは、何かお土産をと思ったけれど、僕は小説家になったから、僕の小説をまず関口さんに送りたいと言って、作品集「海辺の広い庭」を下さった。
その本の見返しには、達筆な墨書きで次
のように書いてあった。
「昔日の客より感謝をもって」 野呂邦暢