#257 サラバ! |
西 加奈子
小学館
サラバ!下巻読了
直木賞受賞後、あわてて購入!
上巻だけ、パラリと呼んだあと、積読!!
先日、上巻を友人に貸したのと、
又吉先生が絶賛していたので、
頑張って読みました。
上巻の 入り があまりにも、
登場人物の 圷ファミリーがハチャメチャな上、
サトラコヲモンサマなんて宗教まで出てきてユニーク
舞台もイラン・大阪・エジプトと、ちょっとついていけない展開でした。
下巻では、東京で一人暮らしを始めた歩を描きながら、、
徐々に 圷家の真実が解き明かされ、
一気に歩の今に、それぞれの今に迫ります。
シッチャカ メッチャカな姉が 歩に言います。
「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べては
だめ。もちろん私とも、家族とも、友達ともよ。あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしか
ないのよ。」
「あなたが信じられるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
「あなたは誰かと自分を比べて、ずっと揺れていたのよ。」
図書館にいると、心が落ち着いた。たくさんの本はただあそこにあるだけで、
僕を何も脅かさなかった。
こんなに読んでいると、いつか読む本がなくなるのではないかと初め恐れたが、
本はいくらでもあった。読んでも読んでも、まるで涸れない湖のように、本はあった。
とても静かに。 その確実さだけが、僕を安心させた。
図書館にいる司書たちも、そのことをきちんと理解してくれていた。 顔見知りになって挨拶を
することはあっても、それ以上突っ込んだ話をしてこなかた。
こんなに悲しいすれ違いはなかった。 そして、こんなに悲しい皮肉はなかった。
「絶対に幸せになる」 と言った母は、ちっとも幸せじゃなかった。
「幸せにならないでおこう」 と思った父は、ずっと幸せだった。
本書より
*