ツリーハウス読みました! |
亀田光代さんの「ツリーハウス」を読みました!
「1Q84」以来の、久々の長編だったでしょうか?
ざっくり書かれてはいるものの、469ページ
結構長かったです!
今話題になっている「八日目の蝉」の作者です。
日本に居場所がなく、満州に渡り、そこにも居場所などなく
命からがら逃げ帰ってきた祖父母の人生を、孫の視線で書かれた作品です。
すべて手放して、子どもも失って、恩人も裏切って、命からがら逃げ帰って来て、
でもその先で自分たちがきちんとたどり着いたと気づいただろうか。
いや、たどり着いたのではない、作り上げたのだ。狭くて汚くてごたついていて
油じみてはいるものの、それでもやっぱりあの店とあの家は、祖父母が目指してたどりつけず、
だからやむなく作り上げた紛うことなき新天地だったのだと良嗣は思う。
・・・そもそも祖父母がもう何も信じられなかったのだ。
子どもに教えるべき、伝えるべき指針など、持っていなかったのだ。
簡易宿泊所。木の上の秘密基地、当たり前じゃないか。
彼らは一度全部失ったのだ。根など、もっていなかったのだ。
(本文より)
というわけで、メルヘンチックな「ツリーハウス」のタイトルがついたようですね!
森はなさんの「じろはったん」
NHK朝ドラの「おひさま」
そしてこの「ツリーハウス」
扱われ方は違っていても、戦争の悲惨さを今の私たちに
ひしひしと伝えてくれます。
40代の若い角田さんが、戦争を
えらくあっさりと書きこんでくださってるのが心憎いです。
そういえば先日、
夏川草介さんの「神様のカルテ」も読みました。
こちらは、さらりとほのぼの読める、気分転換の一冊です!
漱石好きの若者医師に古風なおんぼろアパート、純情可憐な新妻!
読んだ後、爽やかな気持ちにさせてくれる、清涼飲料水のような本です。
「この本、読みたかったんです」
って方が、すでに3名!
ナイスチョイスです。
疲れたときに、さくっと2時間。こちらもぜひご購読を